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種からオーガニック

オーガニック・ガーデニングにこだわるなら種からこだわってみませんか?

在来種を絶滅の危機から守ろう

ブロッコリ・ロマネスコ
イタリア種「ブロッコリ・ロマネスコ」

多くのハイブリッド種が誕生し、市場で人気のある限られた品種のみが世界的に大量生産されている影で、各地に伝承されてきた多くの固定種・在来種(英語でエアルーム種="Heirloom Variety"といいます)が栽培中止の憂き目にあい、絶滅の危機に瀕しています。今まで残存してきた固定種の多くは病害虫に強い、収穫期が長く味も素晴らしい等、家庭菜園に適した品種ですが、形が箱詰めに適していない、まとめて収穫できない、傷みやすく長距離輸送に適さない、棚もちが短い等の供給者側の都合第一で市場淘汰されています。

1900年頃 (全世界)一般市場の売場救済された品種
(オーストラリア)
りんごの品種約4,0005-640
トマトの品種約2,5003-480
じゃがいもの品種約4004-522
野菜の種類約25,000約100300
出典: Diggers Club

家庭菜園の醍醐味は、供給者の都合ではなく消費者の都合によって栽培する品種を選択できることであり、市場の制約によってなかなかお目にかかることのない新鮮、稀少なグルメ野菜を味わえることです。そして、それは市場淘汰されようとしている種を保存し、種の多様性を維持することにもつながります。

GM作物は誰のため?

人類は昔からよりよい収穫を目指して作物を交配し、品種改良に努めてきました。バイオテクノロジーが進歩した現在では、遺伝子操作を通して様々な品種改良が行われています。遺伝子組み替え技術を利用すれば耐病性、耐寒性のある品種をより早く、より的確に作ることが出来ます。

F1トマト
我が家で栽培していたF1トマト「ビビアン」。他のエアルーム種トマト5種と比べて何故かこの品種だけミバエの被害にあった。

バイオテクノロジーはやせた土地での食糧増産を可能にし、人口爆発による世界の食糧危機を救うことを可能にする夢の技術としてもてはやされ、バイオ産業の急成長、企業間の激しい特許権獲得競争をもたらしました。激しい利権獲得争いの過程で、世界の主要な主食源である小麦、トウモロコシ、米、大豆等の世界のタネ市場でいかにシェアを拡げて利ざやを稼ぐかという視点のみから遺伝子組み替え作物(=Genetically Modified Crop, 以下、GM作物)を開発する大企業が台頭し、消費者は置き去りにされるという事態が起こってしまっています。

中でも特に世間から批判されているのが、自社ブランドの強力除草剤にのみ耐性のあるGM作物を開発し、除草剤とタネを抱き合わせて買わせるという手法です。強力除草剤を大量投与して雑草が死んでいく横でぴんぴんしているGM作物、医療の世界で言えば抗生物質を投与しても死なない耐性菌スーパーバグに匹敵する作物が人為的に作られているわけです。このような耐除草剤遺伝子を体内に取り込む危険性はGM作物から検出される高い農薬残留量とともに憂慮すべきものです 。また、最近は外部からの農薬投与減を謳って、このようなGM作物の細胞の中にあらかじめBtと呼ばれるバクテリア性殺虫剤をも組み込んで、耐虫性を毒草なみに高めているものが多くあります。実際は外部からの農薬投与減にはあまりつながっておらず、このようなGM作物の葉を食べた(本来影響は受けないとされてきた)蝶の幼虫やテントウムシまでもが死んだという報告がなされており、土中の微生物減少につながるという懸念もされています。

これらのGM作物の遺伝子は当然ながら開発者により特許権保護されています。GM作物のタネを翌年のために保存して使おうとした生産者が、タネを毎年買わせようとする大手種苗会社から特許権侵害で訴えられるという事例が北米で多発しています。ひどい例になると、40年も種を自己調達してきた農家までが、近隣のGM作物との自然交配によりGM遺伝子が収穫した作物から検出されたため大手種苗会社から特許権侵害で訴えられ敗訴に追い込まれるという理不尽な事例も報告されています。近隣農家との自然交配による遺伝子汚染のために非GMオーガニック作物としての市場価値を失って大損害を受けた無農薬農家が先手を切って大手種苗会社を集団訴訟する例も出ており、GM作物をめぐる訴訟は泥沼化しています。

GM作物推進企業がスポンサーとなっている研究機関や大学の御用学者がGM作物は「安全である」と説く一方、かつて同じようにDDTやPCBを「安全である」と説かせて製造販売してきた大手農化学企業の社内食堂でGM大豆とGMコーンが使用禁止となっていることが報道(英文記事)されています。

忍び寄るターミネーター技術の商品化

カモミール
カモミールは虫媒交配し、こぼれ種からどんどん殖える

GM作物遺伝子の特許権コントロールを容易にするための究極の手段として開発者側が編みだした技術が、次世代のタネが発芽しない、つまり自殺するように遺伝子プログラムを組んだV-GURTs(通称、ターミネーター技術)と呼ばれる技術です。世界の食糧危機を救うはずの夢の技術も開発する側の倫理がないと悪夢に変わってしまうことを如実に表した例といえます。例えば、この自殺遺伝子をもつGMトウモロコシが、近隣の農家の非GMトウモロコシと風媒交配した場合、その近隣農家のトウモロコシまで翌年発芽しなくなる可能性があり、生産者の自立をおおいに脅かす技術です。この自殺遺伝子がいったん外界に漏れてしまうと生態系に与える影響は計り知れず、取り返しのつかない事態になる恐れがあります。

この技術の商品化はアメリカの良識ある有識者達の猛反対運動にあい、1999年にいったん見送られました。しかしその後もこのターミネーター技術の特許獲得競争は続き、現在アメリカで特許を保有している7団体が世界70カ国以上で特許申請を行ったと言われています。このような大規模な同時申請は明らかに第三諸国の市場独占を意識したものであり、貧しい農民からタネを保存する権利を奪おうとするものです。アメリカの種苗会社はターミネーター技術を使ったタバコや綿の試験栽培を既に屋内で開始しており、商品化の機会をうかがっています。

新しく開発されたエキソシスト技術とは

消費者の圧力によりターミネーター技術の商品化を見送った開発者側は、次の手段としてT-GURTsと呼ばれる技術を開発しました。これはGM作物の収穫前に、ある化学薬品を投与することによりその作物の全部あるいは収穫部分から移植遺伝子情報が抹消されるようにプログラムしたものです。化学薬品に反応して移植遺伝子が出没するので「エキソシスト技術」または「トレイター技術(寝返り技術)」と呼ばれています。

紅花インゲンの種
採取した紅花インゲンのサヤと種
この技術を使うことによって、開発者側は
  1. 自社が特許権を持つ遺伝子情報の漏洩を防ぐ
  2. 移植遺伝子情報を除去する責任と費用を生産者側に負わせる
  3. GM作物に異を唱える消費者の目をくらます

という3点を同時に達成できることになります。GM作物として栽培し、出荷時に非GM作物にすり替えることが出来るこの技術について、開発者側は「柔軟性が高く生産者にとって便利な技術」と謳っていますが、生産者側にとっては化学薬品の購入という更なる金銭負担を背負わされるもので、裏をかかれた感のある消費者にとっては非常に薄気味悪く歓迎しがたいものです。また、この技術を使った試験栽培はまだ行われておらず、その有効性は実証されていません。(2003年7月現在)

GM作物、よもやのオーガニック食品認定

ターミネーター技術を開発したのはアメリカの民間企業ですが、この開発に資金供与をしたのは米政府の農業担当機関であることが明らかになっています。

枝豆
遺伝子組替え大豆の心配をせず自家製の枝豆を食べられる幸せ

この機関は、巨大な農化学企業の影響を受け、GM作物をオーガニック食品として分類表示したり、GM作物を非GM作物と一緒にサイロに貯蔵することを認可する法案を1997年12月に出しました。自然の力では起こりえない、殺虫剤が細胞内に組み込まれているGM作物を、組み込んだ殺虫剤がバクテリア性だからといってオーガニック食品として分類し、しかもGM作物をラベル分けすることさえ困難にするこの認定案は、真剣に有機農業に取り組む農家や消費者に対する冒涜だとして世界中の消費者達が猛反発しました。アメリカでは巨大企業と政府機関の癒着にメスを入れたドキュメンタリー番組のTV放映が圧力を受けてキャンセルされ、制作したジャーナリスト2人が解雇されたり、オーストラリアでもコラムを取り上げた大手新聞社が広告打ち切りの脅しを受けるなど、富と権力を背にして反対運動をもみ消そうとする妨害事件が起きました。

しかし消費者達の草の根の反対運動は続き、2000年3月7日、とうとうこの認可案はドブに流されました。40万通におよぶ抗議の手紙を送ったアメリカの消費者の声に、この政府機関が史上初めて耳を貸した記念すべき第一歩でした。

しかし、喜んでばかりもいられません。タバコの時もそうでしたがアメリカでダメなら他国でというのは今に始まったことではありません。大手種苗会社の技術戦略の後押しとして、アメリカ政府はGURTs技術をめぐって他国と政府間交渉を進めています。世界市場独占を狙う抜け目ない大企業と番犬役を担う消費者団体とのイタチごっこは当分続きそうです。


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初筆−2003年7月
最終更新−2010年4月






注:このページはGM産業の現状と在来種保存の大切さを一人でも多くの皆様に認識していただくことを目的としており、GM技術全体に異を唱えるものではなく、特定の団体を誹謗中傷することが目的でもないので、特定の団体名、商品名を挙げることは控えさせていただきました。
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