コンパニオン・プランティング(共生栽培)は単一植物を一ヶ所にまとめて栽培するのではなく、相性の良い他の植物と組み合わせて寄せ植えすることにより、病虫害の被害を最小限に抑え、かつ植物の生き生きとした成長を促して収穫量を増やしたり、風味や芳香を良くしたりするために昔からオーガニック・ガーデニングに用いられきた方法です。この相性の良い植物同士は一般にコンパニオン・プランツまたは共生植物といわれています。ここではコンパニオン・プランティングの例を目的別にご紹介いたします。
![]() キンセンカとカモミールを混植した我が家の菜園 |
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![]() コンパニオン・プランティングのたまもの? 自然交配してこぼれ種から育った大根とラディッシュのかけ合わせ |
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コンパニオン・プランティングは、その地域の気候、生息する虫などの種類によって、植物の相性の善し悪しが変わってきますので、どういう理由で寄せ植えするのかをきちんと把握した上で行う必要があります。私はコンパニオン・プランティングの相性表が載っている洋書を片っ端から読みあさっては、理由も考えずに植物同士の相性だけをノートに何ページ分も抜き書きするという愚かなことをしていました。そして、ある本で良い相性と紹介されているものが別の本で悪い相性になっていたりしてすっかり混乱していたのですが、あるコンパニオン・プランティングの本を読んで目が覚めました。アメリカ特有の害虫避けに良いという理由でアメリカの本でグッド・コンパニオンになっているものがイギリスでは何の意味も持たなかったり逆効果になってしまうことがあるのです。イギリスの湿った気候特有の病害対策のため、或いはオーストラリアの強い日射し対策のためのコンパニオン・プランティングがお互いの国で有効であるという保証もありません。また、その植物をおとりとして植えていることがわからなければ、害虫が飽和状態に達したときにその植物を処理するタイミングを逃して被害を拡げてしまうことにもなりかねません。
コンパニオン・プランティングの奥はなかなか深く、その効果を最大限に活かすためには、まず自分の庭の気候や生息する虫達を知ることが大切です。例えば、私の庭ではどの植物よりもマスタードに青虫やアブラムシがつくことがわかったので今ではおとり専門に使っています。 こちら(オーストラリア)では大根を野菜としてではなくおとりとして植えている人も多いようです。庭を豊かに、そして賑やかにしてくれるコンパニオン・プランティングはいろいろな発見があって楽しいものです。あまりシリアスに考えず、少しずつ試しながら自分の気に入った組み合わせを増やしていけば良いと思います。
コンパニオンプランツの本
- 農家が教える混植・混作・輪作の知恵―病害虫が減り、土がよくなる
- 農山漁村文化協会
- 農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ
- 木嶋 利男 (著)、家の光協会
- コンパニオンプランツで野菜づくり―仲よし植物を育てる (ひと目でわかる図解)
- 木嶋 利男 (監修)、主婦と生活社
- 憧れのローズガーデン―ローズガーデンアルバのオールドローズたち
- バラ文化研究所 (著) 、主婦の友社(バラと組み合わせるコンパニオンプランツを紹介。バラ栽培者向け)
- Carrots Love Tomatoes: Secrets of Companion Planting for Successful Gardening
- Louise Riotte (著)、 Rodale Book Club (アメリカ在住の著者による世界で50万部以上売れている定番本)
- Jackie French's Guide to Companion Planting in Australia and New Zealand
- Jackie French (著)、Aird Books Pty.Ltd (オーストラリア・ニュージーランド在住者向け)
また、無農薬の防虫については病虫害対策のページもご覧下さい。
初筆-2003年7月
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