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ブラックバード秘話

ブラックバード
Blackbird - 体長25cm
外来種でオーストラリア固有の鳥ではない
スズメのように人間と共存するしたたかな鳥
初期の白人の入植地域であるタスマニアとオーストラリア東南部に生息

春のエピソード4部作

その1- いちご争奪戦

ネットに覆われたいちご棚
ネットに覆われたいちご棚。
後方はブラックバードが巣作りしたパッションフルーツ

いちごのおいしい季節。うちの庭のいちごもやっと色づきはじめ、さあ収穫だ、といちごを摘みに庭に出ると、すでにその朝一足早く何者かが熟れたてのいちごを盗み食いしているのを発見!しかも私より早く味見をしておきながら何個もちょっとだけつまんで残りをほったらかすという行儀の悪い食べかたをしている。 許せない、ということでさっそくバードネットを買ってきていちご棚とポット全体を被いました。

翌日、私の相棒は目撃しました。ブラックバードがネットに向かって突進しては戻り、また違う場所から突進しては戻っているところを。やはり犯人はブラックバードであったか。

その2- 巣作り(1年目)

ブラックバードってちょっとおばかさん。どうしてこんな所に?と思うような場所に巣を作ります。

ある朝、いつものように相棒がパティオで体操をしていたところ、ブラックバードがせっせと小枝を運んでいるのをみつけました。みると相棒の目の前の池に面した垣根沿いのパッションフルーツの茂みの中に巣を作っています。しかも人間の目線の高さに。

相棒の視線に気づくと動きを止めて知らぬふりをし、相棒が体操を始めるとまた巣作りを始めるということを繰り返していたそうです。どっちにしてもばればれなんですけど。。。

ブラックバードの親子
ブラックバードの親(黒)と幼鳥(茶)

相棒から話を聞いてさっそくパッションフルーツの茂みをのぞいてみると巣を暖めているブラックバードが目前にいました。まさかそんな近くにいると思ってなかったのでびっくり。相手もさぞかしびっくりしたことでしょう。しっかり凍りついてました。

その後しばらくたって、巣の中と巣の下に1個ずつ割れた青っぽい卵がみつかりました。巣は空き巣になっていました。私が驚かしてしまって居心地が悪くなって出ていったのか、近くの食糧調達場(いちご)が立ち入り禁止になってしまったからか他の鳥か猫に襲われたのかはわかりません。攻撃的なワトルバードが近くを飛んでいたし、夜は夜でポッサムの通り場所になっているような場所ですから理想的な場所でなかったのは確かです。ブラックバードの子育てを間近にみられなったのは残念。

春先、メルボルン近郊の家では同じような話をよく聞きます。

その3- 謎の水滴

ある朝、いつものように慌ただしく家を出るとき、今までに聞いたことのない甲高い鳥の鳴き声を聞きました。いったいどんな鳥だろうとあたりを見まわしたものの見つからないのでそのまま会社に行きました。

水鉢
ブラックバードの溺死現場

さて、私を駅まで見送って10分後に家に戻ってきた相棒は、ミニチュア睡蓮や金魚を入れた直径60センチほどの青い陶器の水鉢のまわりがびちゃびちゃになっているのを発見。不審に思って水をはった鉢の中を調べてみると鳥の溺死体がでてきたではありませんか。

どうもその描写からしてブラックバードの幼鳥に間違いないようです。可哀想に、一生懸命もがいたものの力尽きたのでしょう。朝に聞いた変な鳥の鳴き声はきっと親鳥の慟哭だったのかもしれません。

鳥が溺れることがあるのでバードバスの水は深く張らないようにと聞いたことはありましたが、まさか屋根つきのシダ園にひっそりと配置した水鉢に鳥が入り込んでくるとは。さぞかし金魚もびっくりしたにちがいありません。

まさかこれにもバードネットを張る? いやいや、といいイチゴといいうちの庭はもう美観も何もなくバードネットだらけなのです。困ったもんです。

その4- 巣作り(3年目)

ブラックバードの雛
救助したブラックバードの雛

どうしてこんな所に?と思うような場所に巣を作るのは何年経っても変わらないね~、この鳥は。2年目なんて台所の窓から丸見えのシダの木の葉っぱが出てくる根元の真ん中に巣を作って、卵を温めていたけれどやっぱり途中で巣を放棄していました。

3年目には今度はパティオのキウイフルーツの茂みに巣を作り、しばらくすると巣の方からヒナ達の鳴き声が聞こえてきました。でも週末に巣を見上げていたら、底に空いている穴からヒナの片足がはみ出しているのを発見。「落ちそうだね、大丈夫かな~」と言っていたら翌日落ちてました。相棒がパティオを掃いていたら片隅にブラックバードのヒナが佇んでいるのを発見。まだ目も開いていない不格好なヒナです。ケガもなく無事だったので、早速巣の底を補修してヒナを巣に戻してやりました。この話を週明けに同僚に話すと、怪訝そうな顔をして「親鳥は一度拒否したヒナは二度と受け入れない」ことを教えてくれました。がーん。でも親鳥はその場にいなかったし大丈夫だといいなと思っていたのですが、これが最悪の結果になってしまいました。ヒナ全滅。巣に戻ってきた親鳥が全部のヒナを巣から落としてしまったようです。自分達の無知を思い知らされました。本来ブラックバードは保護すべきオーストラリア固有の鳥ではありませんが、うーん、やはりちょっとショック。

ブラックバードってほんとどうしようもないけど憎めない鳥です。

初筆-2001年11月、最終更新-2004年4月

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